ゲハジは別に犬死でいいじゃない。

JW追憶記

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この記事は真実に基づいています。
下品で汚い表現が含まれる為、特に食事しながらの閲覧は危険です。絶対に避けて下さい。
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妻を愛している。それ故わたしは妻に隠し事をしない主義である。

しかし、愛しているが故に伝えられない言葉というものもまた確かにあるのが現実だろう。
例えば今朝、私が洗濯機に自分のワイシャツを入れようとした所、子供のものとは一緒に洗わないで欲しいと妻が言った。何故かと問う私に、洗濯物を干す時に大きさが違うと面倒でしょう。と応えた。それは真実ではないのだろうと暫くして気づいた。私の体臭が酷いので、一緒に洗ってしまうと臭いがうつってしまうのを避けたかったのだ。妻は精一杯の思いやりで表現を婉曲させたのだろう。それを不義と言うのは忍びない。私は悪臭のする男なのだから。

そして、ここに妻に伝えられていない事実を記す事にする。妻がこの記事を読んで事実を知った時、正直に伝えなかった私を憎むだろうか。これは愛しているが故に伝えられなかった事だと理解してくれるだろうか。




その朝、私は急いでいたと思う。家族と過ごす時間と言うものを考える時、私は何故か極めて強い焦燥感にかられる。平均寿命まで生きたとしても残り40年弱。二人が男女でいられる年月を考えればその時間は更に短い。

そのような思いを抱きながら、1日の活動を始めようとしたのだが、朝食を作る為の米が無い事に気づいた。実家から送られた玄米はあるものの、まだ精米していなかった。妻はまだ寝ている。自宅から車で市外へ20分程行った所に精米所がある。壁の時計を見る。7時30分。この時間なら渋滞にも巻き込まれないだろう。排便をし、車に米を積み、家を出た。まだ少し眠気が残っていたので、フリスクのブラックをかじりながらハンドルを握る。

その精米所はいわゆるコイン式であり、周囲は農地で、数件の民家が点在するばかりで人影は殆ど無い。数十メートル先には出来たばかりの市立体育館がある。
米袋を必死の形相で持ち上げ、米を精米機に投入する。財布には200円しか小銭が入っていなかった。これでは全てを精米するのにお金が全く足りない。精米所の横には清涼飲料水の自動販売機が備え付けられていた。行動を何者かに操作されているが故の不快感を覚えながらコーヒーを購入した。

精米というのは以外に時間がかかるものである。時間を持て余した私は買ったコーヒーを飲まざるを得なかった。缶コーヒーというのは何故斯くも不味い物なのだろう。CMに大物タレントを起用する金があったら、味の向上につながる商品開発をすべきだろう。見当違いな企業批判と共に勢い飲み干す。

この時点で時間は8時を過ぎたばかりである。交通量は増え、道路を挟んだ体育館の駐車場にもいくらか車が入っている。初夏の匂いがする。一陣の風が少なくなった前髪を、それでも爽やかに揺らす。今年こそ、脱JWに相応しいこの風のような、徳の高い人となりを身につけたいものだ。
ふと見上げると農家の邸宅だろう、立派な鯉のぼりが輪の様な口を広げ風に靡いていた。
私の思考も揺れるようにたなびく。
夏が近づき気温が高くなると女性の装いが薄くなる。目の保養、否、目の毒となる装いがそこかしこに跋扈し始める。中でも私は、チューブトップという服装が嫌いだ。乳房とは鎖骨を起始として、そこからなだらかに、ゆるやかに零れ落ちそうになる寸前の儚さを、第7もしくは第8肋骨の停止まで描かれる究極の曲線美に他ならない。それをその腹巻のお化けのような物で分断してしまってよい理などないのだ。
いや本当にそうだろうか。私は脱JWしてからというもの、自分が確乎たる信念を持って信ずる事柄に於いても自ら反証を加え検討を重ねることを常とするようになっているのだ。その考えは本当に正しいのか。近年、それもここ十数年で、日本人女性の乳房の形は格段に美しくなって来ているというのは、論をまたずとも明白な事実であろう。それは何故か。私の信ずる所によれば、それは。その要因は決して食の欧米化などの栄養学的な影響によるものだけに非ず、寧ろ服飾の変化による心理的要因の為せる業であるに違いないのだ。女性自身が肌を露出する服を着ることで、自らの体を前時代の女性より確実に意識させることによって、美しくなってきたと考えられる。それに加え、男性の視線がそこに注がれる事によっても更にその作用に拍車がかかるのだ。であるとすれば、チューブトップのように胸部を大きく開け、露出させる服にはいっそう乳房を美しくする効果があるのではないか。その形状が仮令一時、乳房を醜く見せたとしても、長期的に見ればそれは乳房の発展に資するものだとは言えないだろうか。これらの考えの根拠はこうだ。欧米の女性の体型もやはり服装の変遷に伴って変化してきているのだ。70年代のポルノを見るとそれが如実に示されている。日本とは比べ物にならない栄養価の高い食物を食べてきたであろう彼女たちでさえ--

不埒な考えに没頭していた愚かな私の体に異変が起った。どうやら車中で食したフリスクと先程飲み干したコーヒーが体内でケミカルリアクションを誘発したのだ。激痛が襲う。これはフェイズ6以上の危険水域だ。すぐにも肛門から液状の便が漏れ出そうである。いや実際バイオハザードは起ってしまっていたかも知れない。すぐにでも処理をしなければ大惨事は免れない。体内で沸沸としている便の量も尋常では無いことが直感でわかる。家までは確実にもつまい。
トイレ!トイレはどこですか!助けてください!
田舎の中心で叫ぶ私の窮状を知ってか知らずか、精米機は淡々と米を精製し続けている。
精米が終わった。爆発しそうな下腹部を堪えながら車に米を運ぶ。
確か以前もここで強烈な便意に襲われたような気がする。この糠の匂いと便意には相関があるに違いない。否、この精米の音がそうさせるのだろうか。
いやそんな事はどうでもいい。便所だ。便器だ。
農地でするか。
いやもう交通量が増えているし、通勤の人々も散見される。それは自殺行為だ。
辺りを見渡す。脂汗が背中を伝うのを感じた。道路を挟んだ向かいには体育館がある。その左手200メートル程先には広場に備え付けられたトイレが見えた。どちらに向うべきか。
思えば、人生はこんな選択にいつも彩られている。奉仕で次の家も、その次の家も同級生の家で巡回監督と奉仕している時もこんな心理状況だった。もはや私の思考回路は今わの際の走馬灯が巡るそれにも近いものになっていた。
広場のトイレを選択した。
走る。腹が揺れ漏れそうになる。歩く。
間に合わない。トイレに近づく私の目に絶望的な情景が映される。
トイレ入口のシャッターが閉まっていたのだ。
田舎ゆえに、若者がやり場の無い気持ちの扉を破りたいとトイレを破壊するのだろう。警備上の理由で9時以降にならなければこのシャッターは開かずと非情にも書かれている。馬鹿なヤンキーの為に、もっと愚かで、何てちっぽけで何て無力な俺はここで朽ち果てるのか。
諦めてはいけない。どんな時だって希望を捨ててはいけないんだ。
痙攣を始めた肛門を強く引き締め、最後の希望、体育館へと走った。
ゲハジの頭は、からっぽだ。何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて走った。

天は我を見捨て給もうた。

体育館の入口には、9時になるまで何人も入ること無かれと、またもや非情にも入館を拒む文言が冷厳に記されていたのだ。
もう駄目だ。目も焦点を失い意識が薄れそうになる中、私は最後の行動に出た。
車に駆け込む。
キーを回し、体育館の駐車場の隅へ猛スピードで滑らせ停車させた。
後部座席へ転げるようにして移る。
ゴミ箱として使用していたコンビニの袋を広げる。
パンツと下着を同時に下ろし、袋をあてがう。

わななきながら出した。
肛門はいなないた。
生命の息吹といえるほどのすさまじい勢いで全てが出た。

私はこの時、一点の意識になっていた。体の感覚というものがなかった。私にあるのは小さな菊のような形をした穴だけだった。暫しの後、意識が戻る。車内に充満した悪臭で吐きそうになりながら、事後処理をする。気付けば、両隣の駐車スペースに車が停められていた。見られただろうか。だが私は全てを服の中にぶちまける最悪のシナリオを回避出来たことに誇りすら感じていたので、衆目はさほど気にならなかった。気になったのは夫が車内で排便した事を妻や子供がどう思うかという事だけだった。だから私はこの事を正直に話すことが出来なかったのだ。

愛している。故に言葉で伝えられない事というのは、
確かにあるのだ。

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その後、便とティッシュは特殊な方法で処理をしたのだが、それは秘匿させて頂こう。

胃腸を痛めている人が多いJW2世の諸兄におかれては、フリスクのブラックミントとコーヒーの食べ併せに十分注意されたい。

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いや、精米に行ったら、車の中でウンコしちゃった。て言うだけの話なんですけどね。無駄に長くてすいません。

追伸:キティーさん。ばうちんさん。これでゲハジはウンコ会の役員の席は約束されたと考えてよろしいでしょうか。
む。もしかすると逆に降格でしょうか。
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オフ会情報 

Joelさんが7月は京都にてオフ会を企画されておられます。

元記事のリンク

以下転載させていただきます。

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6/6(土)のUSJオフとは別に、京都でオフ会を開催予定です。

日時: 7/31(金) PM19時ごろ~
場所: 京都駅周辺の居酒屋
予算: 3000円から4000円程度

mixiの「YHWHを愛してると思ってた」コミュにもイベントトピックを立てていますので
そちらから応募いただいてもOKです。
参加希望、もしくは興味のある方、メール ( joel@exjw2.net ) お待ちしています。


※元JWブロガーの皆様、転載いただけますと助かります。



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古都でのオフいいですね。
あ、修学旅行の悲しい思い出が甦ってきた。
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05/14のツイートまとめ 

gehazix

やば仕事中
05-14 13:15

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CLAMPのキャラ画が酷い件について。 

いかん。常習化してきてしまいました。
京極夏彦作 「魍魎の匣」がアニメになってると先般知ったのですが、キャラが酷い。しかも書いてるのはCLAMP。僕ぁ今ひとつこのCLAMPさん達の絵が好きではないのです。今時12頭身はダサいだろう。中禅寺が木場より背が高いっておかしくね。って日テレのwebサイトださっとか思いつつ動画を閲覧。(日テレの中の人、CLAMP大ファンの方がいたらごめんなさい。)

前言撤回。声優やキャラも意外とイイじゃない!私が活字で妄想していたのと、かなり近くてビックリしました。やっぱプロは凄いよね。

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何故、人、人生、その不幸というのは、俯瞰してみるならばこれ程滑稽なのか。
下卑た戯れと言われても返す言葉も無い文を書き連ねてる間、実は私は耗弱と言わざるを得ない精神状態に陥っていた。

JWを離れて5,6年が経とうとしている私に、よもやJWだったが故に人から罵られる事があろうとは、予想だにしなかった。

私の職場にはJWがいる。彼は見るからにJWである。青年であるにも関わらず、筋肉の量が少なく不健康そうな痩身で、表情も非常に乏しく笑顔が歪である。血色も悪い。妙に物腰柔らかな態度だが、不遜な物言いが鼻に付く事もある。

彼を採用する事に決めたのは私の上席者だった。
私は、JWが職場に入ることに一抹の不安を覚えつつも、宗教信条故に人を差別する事を由としない為、そのJWが職務を勤勉に果たすのであれば、何も問題は無いと思い、その判断に異を唱えなかった。いや、ひそかに彼がJWである故の勤勉さが会社の人間に評価される事を期待すらしていたかもしれない。
しかし彼は、仕事の飲み込みも今ひとつな上に、研修中から休憩時間にJW文書を開き、事あるごとに自分がJWである事を他の人に証言するなど、不安が的中する形を示していた。当然、職場の他の人間から「あの人ってエホバなんですってね。」等と言われる事になる。
私は「そのようですね」と言ってその場を繕っていた。
そんなある日、彼の同僚から私の家に電話がかかってきた。その男は私より30ばかり年上である。
「おめーらグルなんだろう!」
「キリスト教やってるのは知ってるんだ。会社の奴はみんな知ってる。」
私はこの年上の男とJWの男、二人の勤務シフトを作成していたのだが、その年上の男は、JWの同僚が特定の曜日に休みをとることに文句をつけてきたのだった。しかし、その仕事に於いて、その年上の男のシフトとJWの同僚のシフトは全く関係の無い物なのだ。つまり単なる言いがかりでしかない。
「おめーもキリスト教なんだろう!答えろよ!」

私の中の何かが弾ける。
檄した。
「だったらどうした!てめー日本憲法知ってんのか!」
「あぁキリスト教だよ!だから何だ!悪いか!」
棄教した筈なのに何故かこんな事を口走っていた。

宗教で人を不幸にする人間は最低だが、人を思想信条故に見下す人間はそれよりも最低だと思う。
こんな奴は許しておけない。どす黒い感情が首を擡げ、醜い悪阻となって口から迸る。全身が怒りでシェイクシェイクブギーな胸騒ぎをしていた。

電話を叩き切り振り返ると、私を見ていた。
私の子供だ。
我に返る。
「お父さん、会社の人に怒ってたの?」

胸を突き刺す程の悲しみが押し寄せる。怒りは中から湧くようにせり上がる。
何故だ。JWを離れたと言うのに、何故こんな目に合わなければならない。
暫時して悲しみと怒りを簡単に飲み込む程の恥ずかしさが襲ってきた。
我が子に醜態を晒した恥ずかしさだ。
こんな父親ですまない。
「ごめんね」詫びたところで父親の怒声を聞いた傷は癒えないだろう。だが、それしか言えなかった。

少し冷静になり気付く。いやまて。何故あの老獪は私がJWであると知っているのだ。
私は件のJWの男が入職する際に、自らがJW排斥者である事を告げていた。彼の信条を理解する故、大会等でシフトに入れない際には、十分前もって連絡が欲しい旨も告げていた。
奴が言い広めたのか。これだからJWは困る。勝手に人の個人情報を社内に漏らすなど常識はずれも甚だしい。

老獪、JW双方に対する怒りが体に満ちていた。その日以降、左瞼の痙攣と左胸の絞扼感が起こり、胃痛も酷くなっていった。

後日、JWの男に問いただした。私がJWである事を吹聴したのか。
返答は否であった。

つまり、こうである。ゲハジの容貌や態度、人柄が、冒頭に述べたそのJWのそれらと酷似しているのだ。それ故、社内の人間はその共通項から類推して判断したのだろうと思われる。それが証拠に幾度と無くそのJWと私は人から呼び間違えられるのだ。休憩時間に「生、死、神秘体験」とか「臨死体験」とかそんな本を読んでいた事もそれを補っていたに違いない。

憎むべきは我が身であった。

滑稽にも程がある。

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さ!夏に向けて筋トレだ!
いやいつも5月はそんな事を言っているのですが。

あ、マッチョだったりイケメソだったりする現JWの方、ごめんなさい。
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淡き恋の思ひ出 中学生編 

再び、タイトル釣りのような沙汰をしでかし、恐縮です。
JWブログ界に有吉のような渾名を付ける名人がいたなら、さしずめ私は「下ネタ変態クソ野郎」と呼ばれるんじゃないか。と自意識過剰に感じている今日この頃です。以前にも猛省の弁を述べたような気もするのですが、下ネタ一辺倒ではやはり芸が無いのは痛感している所であります。そこで後学の為にといろんな方のブログに目を向けると、やはり恋愛話が多くの方の支持を受けるような傾向があるように思えてまいったのです。
ええ、私も出来るならそんな話を書きたい。だが自分の恋愛経験は総合的に考えれば負の値でしか表現できないような物しかなくその経験不足を呪わざるを得ない状況。しかし、それでも「下ネタ変態メルヘン野郎」ぐらいには昇格したい。そんな訳で今日は私の数少ない恋愛体験、いやネタ前に詳らかにしてしまえば只の妄想でしかない恋愛がらみの話をいたしたいのであります。

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「キモいんだよね。本当にさぁ。」
目の前の少女は唾を吐きかけんばかりの口調で、まずそう言った。
彼女の名前をカエデと言う。今年16歳になったばかりだが、年齢と愛くるしい少女のような面影を残した相貌にそぐわず、擦れた物言いをする。よく言えば世の理を若くして理解していると言う事になるのだろうが、その言葉の矛先が、殊自分に向けられるならば、心が穏やかでいられないのは致し方ない事だろう。
「君みたいなのがいるから“女の腐ったような”という比喩表現が生まれたんだろうね。」どこまでも辛辣である。しかし彼女を憎む程の気持ちは私には無い。
「女性全てに懺悔するくらいの気持ちが必要だよ。君にはさぁ。」それは言いすぎではないだろうか。
「普通はさぁ、10代の内に恋愛経験を積んで、他人に受容される事を知って、その年代に訪れる死への恐怖とか虚無感に立ち向かえたりするのが普通だと思うんだけど、君にはそういう経験が無いって事だよね。」彼女は左手を回旋させた状態で人差し指を突きつけながらそう言った。左利きなのである。
「いや、僕にだってそういう経験はあるよ。その経験で確かに10代に訪れた虚無感というかモラトリアムに耐え抜けたというか、自分の価値を少しは信じる事が出来たんだと思うよ。」
「本当にぃ?」カエデの顔は嘲笑と微笑の中間のような表情を作った。その彼女の顔はしっかりと私に見えているのだが、その体は霞がかかったようでよく見えない。
「中学校1年生の時の話になってしまうんだけどね。」私は赤面しながら言った。
「中学1年って、あんたバカァ?」そう、彼女はゲハジの交代人格である。
「だってさっき10代ってカエデだって言ってたじゃないか。」
「まぁねぇ。でも中学校一年生って言ったら小学生に毛が生えたようなもんじゃない。」
時々彼女は、知ってか知らずかこちらが赤面するような事を臆面もなく言ってのける。
「君が振ってきたんだから、少しは僕の話を聞いてくれていもいいだろう。」カエデは憮然としながらも頷いた。


中学生一年生になったゲハジは、見事と言うほど新しい環境に馴染む事が出来ていなかった。まず入学式当日、剣道の竹刀の購入する事が求められる事を知らず証言の準備をしてきていなかった為に、同級生全員が見ている中でガタガタ震えだし、泣き出す寸前の顔で“今日は”購入できない旨を担任に伝えた為、挙動不審で気味が悪い人間として級友から評価付けられてしまう。そして最初の共通の話題である部活動の選択とそこから始まる話題にも完全についていけず、学級の輪から完全に逸脱した。
当然、その後に男子生徒の中で沸き起こった“お前、どの女子が好きなの”という話題に入るのも不可能なのは自明の理であった。しかし、ロシア文学の愚者にも似た純粋さとでもいえるようなモノが幾許か残るゲハジは、周囲に疎まれている事に気づけず、それらしき話題で盛り上がっている中に近づき「俺にも教えてよ」と話しかけてみるも、「はぁ?お前に話してねぇし。向こう行けよ。」と一蹴されて初めて己の立場を知るような体たらくであった。

そんなある日、その出来事は起った。
放課後、何故かゲハジは教室に残っていた。恐らく多くの生徒は部活へと急いだのだろう。そこへ同級の中で唯一、ゲハジに普通に会話をする女生徒が現れた。彼女は“高橋明子“といい、先日にはゲハジに久保田利伸のカセットテープをダビングしてくれた心優しき奇特な女子だった。しかし彼女の親切虚しくゲハジはソウルミュージックに傾倒する事はなく、この後、闇の音楽、メタルミュージック(正確にはジャーマンスラッシュ)に心酔する。
彼女は一人ではなかった。隣の学級の友人とゲハジの教室にきていたのだった。その友人こそゲハジが中学生活を通し恋焦がれる事になる“藤沢しのぶ“その人であり。その初対面であった。彼女は非常に大人びた顔をしており、睫が長く常に微笑んでいるような表情が印象的だった。確かに学年の中には他にも可愛い少女はいたのだが、中学一年生をして「美しい」と表現できうるのは彼女だけだった。彼女は高橋明子と寄り添うようにしていたのだが、何故か教室中央の席に腰掛けるゲハジに視線を送って来ていた。此方が視線を返すと、うふふと互いに笑いあっている。不審に思うが、そのような経験は幾度と無くあったので気にも留めなかった。やはり気持ち悪い人だよね。と笑いあっているのだろうとゲハジは合点した。美しい顔を持つ少女が人を蔑んでいる事の対照の強さがほんの少しだけ心に影を落とした。
しかし、その翌日である。件の高橋明子がゲハジに近づいて来てこう言った。
「藤沢しのぶって知ってる?」
「昨日一緒にいた人でしょ。」
「なんかゲハジの事、かっこいいかもって言ってたよ。」


「で?」
尋ねているのがカエデだと気づくのに暫くかかった。それ程に今伝えた回想に浸ってしまっていたのだろうか。
「いやだから。それでお仕舞いさ」
カエデの驚きの表情を見たのは初めてだった事に気づく。
「え、まさかそれだけの事で10代の鬱屈した時期を乗り過ごせたとか言ってる訳?だって“かも”って言われただけだよねぇ。しかもその後その女の子と付き合ったとかじゃないんでしょ?」
「そうだよ。その後は全く何も無いよ。確か、藤沢さんはその後すぐサッカー部の矢島君と付き合ってたと思うな。でもやっぱり、多分その思い出があったからこそ、自分が何者なのか、何の為に生きているのか分からなくなるような10代のモラトリアムを耐え切れたと思うんだよね。辛い時、悲しい時、消え入りたくなるような時、事あるごとに藤沢さんの事を思い出していたような気がするよ。あの美しい人が、仮令一時とは言え評価してくれていたんだってね。」

光が差さない場所程の深い嘆息をカエデはした。

「やっぱさぁ。キモいよ。」
この言葉を残し彼女は暗がりの奥へ消えていった。

暫くして、ゲハジもやはり嘆息しながら闇へと落ちていった。
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これでは「下ネタ変態メンヘル野郎」ではないか。
ああ。それは紛れもない事実なのだ。


++++++

虐待などの辛い経験から解離性同一性障害を患われて苦しんでおられる方には失礼に思える文かも知れません。お叱りの言葉は甘んじて受けたいと思います。しかしながら「やっぱ普通じゃないよね」と事あるごとに家人に揶揄される私としましてはこのような叙述によって幾許か精神のバランスをとっているような所もございますのでご容赦いただければ幸いです。

いや、その前にこんな長い駄文を最後まで読まれる奇特な御仁がおられるのか。甚だ疑問だ。
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